ヨーロッパ 世界一周

アウシュビッツ=ビルケナウ博物館見学。悲劇を繰り返さない為に、まず知ることから。

ドイツ語で”働けば自由になる”と書かれた強制収容所の入り口ゲート、3文字目のBが上下逆さまになっているのは、被収容者のせめてもの抵抗だったとのこと

アウシュビッツ=ビルケナウ博物館とは

多くの方が、アウシュビッツという言葉は耳にしたことがあり、そこで何が行われたのか知っている人もいると思います。
とても全ての説明はできないので、概要を少しだけ書きます。
これは、エストニアで杉原千畝記念館に行った時の話と繋がるのですが、時代はナチスドイツ時代。
ドイツ国内や占領したポーランドに住んでいた主にユダヤ人たちが、この場所に連れてこられ、強制労働、さらには処刑されました。
ナチスドイツのイメージからドイツにあると思っている人もいるかもしれませんが、ポーランド南部のオシフィエンチムにあり、その地名のドイツ語名がアウシュビッツです。

詳しく知りたい方はこちらウィキペディアのリンクです

見学の前にしておくべきこと

まずは心の準備です。ただの興味本位で行く場所ではないですし、とにかく行けば何かあるわけでもないと思います。
僕たちも悩みましたが、行くことを決断しました。博物館は入場料は無料ですが、必ずガイド付きのツアーに申し込んだ方がいいと思います。
僕らは、急なお願いでしたので無理でしたが、日本人唯一の博物館公式ガイドの中谷剛さんという方もいらっしゃいます。
僕らは英語での説明を受けられるツアーを予約しました。

身を投じて自殺する人もいたと言われる電線

博物館に到着、ツアーが始まります

カウナスからバスで1時間半ほどで、博物館のあるオシフィエンチムに到着しました。
手荷物検査やパスポートの確認を終えると同じツアーの参加者15名ほどが集められてスタートします。
参加者の人種は様々で欧米人からアジア、中東の方もいました。

一緒に見学をしたグループ

ツアーのスタートは第4棟から

ガイド付きツアーだと、数ある棟から見学すべき棟を案内してくれるので、安心して付いていくだけです。

第4棟入り口


まずは、被収容者がどこからアウシュビッツへ連れてこられたかを説明されました。
輸送環境も劣悪で道中で亡くなってしまう人もいたそうです。

ヨーロッパ各地から連れてこられたかをまとめた図

その他にも、当時の様子を記録した写真やその説明が書かれた文章が壁に展示されていました。
中でも僕たちが言葉を失ったのは、おびただしい数の薬物の空き缶です。それが罪もない人たちを殺すために使われたと思うと息が詰まります。

元々殺虫剤として使われていたチクロンBの空き缶
第4棟から第11等へ向かう

その途中の中にあるのが、「死の壁」です。
被収容者は、ガス室だけでなく、銃殺されることもありました。その現場となったのがこの死の壁。
規律違反や見せしめの意味もありましたが、他の被収容者に恐怖心を植え付ける為だったと言われています。

今も残る銃撃の後と手向けられた花
被収容者を乗せた貨物列車の終着地だったビルケナウ
アウシュビッツ第一強制収容所からビルケナウ(アウシュビッツ第ニ強制収容所)へ

ビルケナウには、無料シャトルバスで向かいます。その面積は広大で東京ドーム37個分に相当します。

人間を乗せていたとは思えない貨物列車


ビルケナウの環境は第一収容所以上に劣悪なものになっていました。

簡素な入口の被収容者等入り口

その内部は、どれだけ人間としての扱いを受けていなかったを物語っています。

とても夏は35度を越え、冬は-20度を下回る環境に耐えられる作りになっていない
強制収容所の終焉

その時は、4年半以上の月日を経て1945年、ソ連軍によって解放され、ようやく終わりを告げます。
その際もドイツ軍の行った虐殺をの証拠を隠蔽するために、ガス室や焼却炉は破壊されたと言われています。

まとめ

多くのユダヤ人の住むイルラエルでは学生の修学旅行の目的地となっています

見学を終えた後は、なんとも言い難い、胸の重さがありました。
歴史は過去の出来事でしかないですが、今を生きる僕たちが同じ過ちを2度と繰り返さないためにも、この場所から学び、考えさせられることは非常に価値があることだと思います。今では心の底から実際に訪れて、自分の肌でその空気を感じられてよかったと思っています。
世界平和への道のりは長くて険しいかもしれませんが、僕たち一人ひとりが、学んで、考えて、行動することがその第一歩だと感じました。

過去は変えられませんが、未来はきっと変えられるはずです
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tkc.anty

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